代襲相続において遺留分は認められる?
代襲相続において遺留分が認められる場合があります。
誰が、何割の遺留分を認められるかについては、相続人と被相続人の関係によって決まります。
今回は、代襲相続において遺留分が認められる場合や、その際の計算方法についてご紹介します。
◾️「代襲相続」と「遺留分」とは
⒈代襲相続とは
代襲相続とは、相続権を失った相続人の子が、その相続人に代わって相続権を得ることです。
代襲相続が認められるのは、相続人が以下の事由によって相続権を失った場合です。
・死亡
・相続欠格
・相続廃除
なお、相続放棄によって相続人が相続権を失った場合には、代襲相続は認められません。
⒉遺留分とは
配偶者や子、直系の尊属に認められた最低限の相続分です。
法定相続分の半分が遺留分にあたります。
例えば、被相続人の配偶者は法定相続分が1/2であるため、遺留分はその半分の1/4です。
なお、兄弟や姉妹には遺留分は認められません。
また、上で述べた代襲相続が認められた場合には孫やひ孫にも遺留分が発生する場合があります。
被代襲相続人に認められていた遺留分の相続権を代襲相続人が相続するためです。
⒊代襲相続において遺留分が認められる場合
代襲相続において遺留分が認められるのは、遺留分を持っている相続人を子が代襲相続した場合です。
同様に孫やひ孫にも代襲相続による遺留分も認められます。
なお、甥や姪には代襲相続による遺留分は認められません。
◾️遺留分の割合
代襲相続による遺留分は被代襲相続人の遺留分と同じです。
代襲相続人が複数いる場合の一人あたりの遺留分は、被代襲相続人のもっていた遺留分をその代襲相続人の人数で割ったものです。
例えば以下のケースを仮定します。
被相続人に配偶者A、配偶者との間の子BとC、子Bの子D(被相続人からみて孫D)がいたとします。
子Bが既に亡くなっており、孫Dが代襲相続をした場合、それぞれの遺留分は以下の通りです。
配偶者A:1/4
子C:1/8
孫D:1/8
また、上のケースで孫がDとEの二人だった場合は、孫DとEの遺留分はそれぞれ1/16です。
◾️遺留分を相続できない場合
代襲相続人が遺留分を相続できない場合には、遺留分侵害額請求権を行使することができます。なお、遺留分侵害額請求権には時効が存在するため、早めに行動を起こす必要があります。
具体的には、相続の開始もしくは遺留分の侵害を知った時から1年、または、相続開始から10年が経過すると時効となってしまいます。
遺留分侵害額請求の大まかな流れは、まず財産調査を行い、遺留分侵害額を計算します。
その後、内容証明郵便で請求を起こします。時効となるまえに請求を起こしたことを証明できるように、口頭ではなく、内容証明郵便などを使うのが一般的です。
話し合いで解決しない場合は、調停や裁判によって決着をつけます。
手続きはもちろん、相続に関する交渉やトラブルは精神的にも負担が大きいため、弁護士に相談することをおすすめします。
◾️まとめ
今回は、代襲相続において遺留分が認められる場合や、その際の計算方法についてご紹介しました。
遺留分を認められた場合でも、遺留分を侵害された際には、時効を意識しながら請求を起こす必要があります。
さらに、相続に関するトラブルは親族同士の対立を招く場合もあり、負担が大きいです。
代襲相続を検討するのであれば、弁護士などの専門家に相談や依頼をすることをおすすめします。
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弁護士吉田 昌史(よしだ まさふみ)
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